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さり気なく導かれる

 前回の「#31 さり気なく導く」が完成した後、今回は玄関から南側のスーペース(通路と庭)をどうするか?というご依頼でした。打ち合わせの中で生まれたたテーマは「つながり」です。前回、洗い出し舗装、植栽、化粧砂利を用いて接道からさり気なく玄関へと導く流れをつくりました。その延長線上にある庭へと向かう小道は、幅の制限があったため直線となりましたが、前回同様、洗い出し舗装、植栽、化粧砂利で仕上げました。小道と庭の境はピンコロで見切り、砂利の種類を変更しています。これは境界を明確にし別空間へ誘う意思を示しています(ここまでは通路、ここからは庭)。

 庭には濡れ縁前にちょっとしたスペースがあり、そこに景石を五石据えました。ゆったりとした気持ちで濡れ縁に座り庭を眺める、室内から庭を眺める・・・。様々なシーンで心を落ち着かせることができる坪庭スペースです。坪庭は庭の南東角にあり、西へと通路は続いていきます(物置場、勝手口、テラスへ)。この通路に面白みを持たせるために、二つの要素を重ねました。すなわち、歩きやすさを考えた直線基調の洗い出し舗装(接道からつながっています)+遊び心を加えた飛び石風の大中小三種のピンコロ(ランダムに見えますが計算された配置です)。それにより、機能的で変化に富んだ通路が生まれ、現代的な和の庭のポイントとなっています。

 まだまだ植物が育ち切っていないので、隣地の構造物が見え隠れしています。今後、植物が生長し上手にコントロールしていくことで、よりプライベート感のある庭になっていくことでしょう。

Data

K HOUSE さり気なく導かれる
工種:ガーデン工事
所在地:岡山市北区
竣工:2020年
施工協力店:Garden Belle、庭匠 隠れみの庭
材料協力店:(株)LIXIL、平尾物産(株)、名木田石材店、倉敷木材(株)、三洋建材(株)、(株)佐藤園芸

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