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 「晴れの国 岡山!」、降水量1mm未満の日数が全国第一位となったことがそう呼ばれている理由です。最も雨が少ない都道府県ランキング(年間降水量)でも上位に入っていることから全国的に雨が少ない県といえるでしょう。日本の平均気温が年々上昇していることも考えに入れると、植栽樹種の選定は、いままでの経験や常識に縛られない柔軟な考えが必要となっている印象です。ガーデンの世界にもトレンドがあり、今後少しずつ増えていく可能性があるのが、ドライガーデン、ロックガーデン、オージープランツを用いたガーデンです。この3種類のガーデンは細かく見ると異なるのですが、日本の気候下では、それらの要素をつかみつつミックスして立案されていることが多いと思われます。外来種、在来種の区分があいまいになっている現在で和庭園でさえ外来種が用いられていることを考えると、3つのガーデンを分ける必要性もないような気がします(時と場合に寄りますが・・)。

 今回、玉野市で石を用いたガーデン(ドライ、ロック、オージーをミックス)を施工する機会を得ました。施工前画像(モノクロ)を見ていただいても分かるように、土のスペースが多く雑草対策が大変なこと、家から庭を眺めた時に駐車スペースが見えて日常感がでてしまうことが施主の悩みでした。他にお子さんが庭で遊べる環境、既存樹(シマトネリコ、ギンヨウアカシア、アジサイ アナベル等)は残したい、新たに植物を植えても良い、ライトアップをしたい等が要望でした。

 雑草の対処方法は、1.かためる(コンクリート、石、レンガ、タイルなど)、2.うめる(雑草の根が侵入しにくいほどの植物→シバ、グランドカバーなど)、3.しく(防草シート+砂利、人工芝など)が考えられます。今回は、それぞれの特性、メリットとデメリットを話し合い、人工芝が採用されました。既存樹の中でシマトネリコなど移植しない木もありましたので、それらを囲むように曲線と直線を組み合わせた石(大窪石の白っぽい石を山から選別)の花壇を施工しました。目隠しフェンスの庭側は好きな植物を植える事ができるフリースペースの花壇に、目隠しフェンスの駐車場側は植栽と石を敷き詰めた花壇としました。目隠しフェンスとほぼ直角に伸びる駐車場と庭の境界部分も植栽と石を敷き詰めた花壇としました。これは庭と駐車場を明確に分ける厚みのある境目として機能しています。

 出来上がった庭は、周りの環境とも相まってとても気持ちの良い空間になりました。お子さんたちが庭に出て楽しんでいることを見聞きすると、うれしく思うと共にもっともっと活用して、長く愛してほしいと願ってしまいます。今回植栽した植物は、まだまだ大きくなるモノが多いので、成長の楽しみも味わえる庭になっています。ドライな環境でどれくらい成長していくのか?時々伺って確認させていただきます。

Data

F House ドライな庭
工種:ガーデン工事(リノベーション)
所在地:玉野市
竣工:2024年
施工協力店:Garden Belle、庭匠 隠れみの庭
材料協力店:エクシスランド、名木田石材店、平尾物産(株)、(株)LIXIL、(株)ユニソン、(株)佐藤園芸

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