無彩色(白から黒まで灰色を含む)の建物に対してエクステリアの色をどのようにするべきか?は、図面を書く側としてなかなか難しい選択です。主に二つの考え方があると思っています。一つ目は建物と同調する案。すなわち、白~灰色~黒色を門塀、床、フェンス等に用いて建物と同じ無彩色で統一する案です。二つ目は建物と同調させつつ、有彩色も入れていく案です。※三つ目として、建物の色を気にせず有彩色で通す場合もありますが、全体の色のバランスを見たときにまとまりを欠く場合が多いので、主に二つの考え方としました。一つ目の考えに植物を用いない事や直線基調が加味されると相当攻めた仕上がりになっていくと考えられます。今回は施工画像からわかるように二つ目の考えでプランを作成しました。というのも、この建物が建てられている周辺には桃農家さんの畑があり、春には桃の花が辺り一面に広がります。このような柔らかい雰囲気がある場所で建物の無彩色感を際立たせるよりもガーデン、エクステリアで雰囲気を和らげ、周辺環境の緩衝材となる方が良いと考えたからです。ただ、建物のピシッとした感も尊重したいので、水平、垂直、直線を意識したライン取りを施し、床と屋根は無彩色で統一しました。立面で目立ってくるフェンスは有彩色のウォームカラーを採用し建物の色との分離をはかっています。緩衝材は色だけではなく、もちろん不定形の植栽が効果的です。ポイントなる箇所に植物を配し全体的にモダンでありながら温かみがある雰囲気を目指しました。
Data
N House 無彩色に合わせる色
工種:ガーデン&エクステリア工事
所在地:総社市
竣工:2021年
施工協力店:エクステリア船本、彩匠左官、T+C Factory、庭匠 隠れみの庭
材料協力店:(株)LIXIL、(株)東洋石創、(株)三洋建材、(株)エクシス、(株)ユニソン、(株)佐藤園芸