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木と鋁(アルミニウム)

 2008年の新築時に東面と南面にあるベランダのガーデン工事を担当させていただきました。13年後の2021年、大規模修繕工事の時期となり、修繕工事前の4月に既存材料等の解体~撤去・処分を行い、修繕工事後の12月にガーデン工事を着手いたしました。今回のテーマは、WARM&COOLです。打合せの中であたたかみを感じる木材を東面に用いることが最初に決まりました。前回が硬質のイペ材のウッドデッキだったこともあり、今回は着色がしやすく比較的やわらかいヒノキ材を採用しました。側面のフェンスは既存の壁を隠しつつ、モダンな雰囲気も必要だと感じていたため、平板のフェンスや縦格子のフェンスは採用せず、横格子のウッドフェンスとしました(ヒノキ材です)。ワンポイントとして横格子フェンスと同じサイズの木材を用いた花台を設けました。緑の空間も欲しいという要望もありましたので、既存の壁とウッドフェンスの間に植木鉢を設置する空間を設けてヘデラヘリックスを下垂させました。南面は当初方向性が定まっていない状況でした。打合せを進める中で、外に出てお酒を楽しむ際のカウンターテーブルが欲しいという意見と木材とは異なるすずしさが感じられる金属を用いることが良いのではないか?という話になりました。そこで、軽さと加工のしやすさがあるアルミニウムが採用されました。東面のウッドフェンスと呼応するようにほぼ同じサイズのアルミ材を用いてアルミフェンスを造作し、そのアルミフェンスと合体させる形でアルミ製のカウンターテーブルを造作しました。東面のあたたかみのある空間との対比がより強くなるように南面の空間はシルバー色のアルミニウムとグレー色のタイル敷、数個の植木鉢というシンプルな色味と構成でクールさを演出しました。二つの異なるベランダができたことにより、午前中は東面で、夜は南面で楽しんでいただけそうです。新たに加わった室内の植木鉢と共に長く利用していただけると幸いです。

※この事例は、マンションのベランダのガーデン工事です。マンションのベランダは、専用使用権が認められた共有部分です。マンションの利用規約、耐荷重、排水溝の確保、避難経路の確保、ビスやモルタルの不使用等々、施主と十分に協議してプラン作りを進めました。築10年を超えたマンションであり、施主が生活をしながらの工事であったため通常の工事と比べて準備期間、工事期間、養生等に神経を使いました。

Data

C House 木と鋁(アルミニウム)
工種:ガーデン工事(リノベーション) 
所在地:岡山市北区
竣工:2021年
施工協力店:庭匠 隠れみの庭、T+C Factory、片山建築工房
材料協力店:セキスイデザインワークス(株)、三協立山(株)、(株)タカショー、LIXIL、エクシスランド、(株)佐藤園芸、(株)ヤマテー

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