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12年後の再開

 家を新築された2009年に、外構工事と並行して別の場所にある景石、板石、延石等を再利用したいというお話がありました。優先順位に従い外構工事、造園工事等を2009年、2013年に施工させていただきました。2013年の造園工事時に景石等をできる限り移設し、一部は庭に据え、残りは仮置きという形を取りました。この度、残りの仮置きした景石、板石、延石等を用いて新たな庭をつくりたいという依頼を受け、12年を経て景石等が日の目を見ることとなりました。
 限られたスペース、限られた材料をどう組み合わせてどう使用するのか?まずは残された石を細かく計測することからはじめました。不定形の景石の中で主だったものは前回の工事で庭に据えられたため(言い方を変えると良さそうな石から先に据えられた)、小ぶりの景石数石、残りは板石、延石といった内容でした。計測した石のサイズを元に何度か配置を考えていく中で、”板石と延石を用いたステージ(この地)から島に見立てた景石+植栽、水に見立てた化粧砂利敷(あの地)を眺める”といった考えに至りました。これはモダンと和の融合でもあり、古いとされている石が再利用されることによって新しいモノに大幅に生まれ変わった瞬間でもあり、大きく想像を膨らませてみると此岸・彼岸と言えるかもしれません。とはいえ、ここに立ち、この庭を眺め、感じることを素直に思っていただければ幸いです(石を捨てずに使い切れてよかった・・・、でもOKです)。

Data

S House 12年後の再開
工種:ガーデン工事(リノベーション) 
所在地:岡山市北区
竣工:2021年
施工協力店:庭匠 隠れみの庭
材料協力店:三洋建材(株)、(株)佐藤園芸

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