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団居(まとゐ)の庭

 コロナウィルスは人々の生活に大きな変化を与えました。自由に外出できなくなった結果、家での過ごし方の重要性が見直され、室内、室外を問わず、生活の質の向上がはかられるという現象が起きました。このF邸はその例の一つです。約10年過ごしてみて、上手に庭を活用することができていなかったことに気づかれたそうです。今回のご依頼は、元々あったタイルテラスを広げて、三世帯がゆったり過ごせるスペースを。タイルテラスには新たにテラス屋根と日除けを設置して晴天、雨天を気にせず過ごせるスペースを。既存の樹木、グランドカバーを一新して機能的で管理しやすいスペースを・・・といった内容でした。

 リノベーション工事の場合、最も神経を使う箇所が既存箇所と新設箇所の接合部分です。細かい話ですが、タイルの目地、タイルの勾配はその時の状況や職人さんの癖で若干の幅(目地幅5mm前後、勾配の大きさ1%以上等)が生じます。既存箇所のタイルの目地幅、勾配を踏襲しつつ新設の目地幅、勾配を良い方向に持っていく。テラス屋根の柱はタイルの目地とうまくおさまる位置に設置するなど、現場での調整を密に行いました。植物はそれほど神経質にならなくても良いので、既存の植物を大胆に剪定し、移植できるものは移植を行いました。今後の成長で既存植物と新設植物が混ざり合い、より良い空間になっていくことを願っております。

 今回の工事が終わった後、庭に出る機会が増えたというお話をお聞きしました。三世代が集まってワイワイする姿を想像すると、携わらせていただいた立場としてはとてもうれしい出来事です。今後もお庭の剪定等の作業に入らせていただくお家ですので、経年の変化を感じながら、庭の質の向上をはかっていきます。コロナウィルスは色々な制限をもたらしマイナス面が強調されます。ただ、コロナ禍でなければ、庭を見直したりリノベーションすることもなかったかもしれませんので、全てがマイナスとは言い切れないなぁと思った事例です。

Data

F House 団居(まとゐ)の庭
工種:ガーデン工事(リノベーション) 
所在地:岡山市北区
竣工:2020年
施工協力店:Garden Belle、田中大一、庭匠 隠れみの庭
材料協力店:(株)LIXIL、三協立山(株)、(株)タカショー、(株)ユニソン、(株)佐藤園芸

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