石畳文様(市松文様とも呼ぶ)は、色の異なる正方形が上下左右交互に敷き詰められたような文様であり、そのパターンが途切れることなく続いていくことから繁栄の意味が込められています。現地を確認させていただいたとき、室内に使用されている磨きのかかった板石材が太陽光に反射する様子が非常に面白いと感じたため、室外にもその雰囲気を取り込み、内と外の境界をできる限りなくせないか?という事を考えました。と同時に子孫繁栄や事業拡大など縁起が良いとされている文様と組み合わせて表現することを思い、花崗岩板石の磨き仕上げとビシャン仕上げを交互にに張るという考えに至りました。今回、植物を用いない庭を希望されていましたので、板石、景石、砂利を組み合わせて配置した空間形成となりました。使用している材料は最小限に抑えましたが、光の当たらない午前~光を多く受ける午後~夕刻から夜にかけて・・・、光の動きに合わせて表情を変える表現豊かな空間となりました。
※この事例は、マンションのベランダのガーデン工事です。マンションのベランダは、専用使用権が認められた共有部分です。マンションの利用規約、耐荷重、排水溝の確保、避難経路の確保、ビスやモルタルの不使用等々、施主と十分に協議してプラン作りを進めました。新築マンションであり、生活がまだ始まっていない状況での工事であったため、比較的スムーズに作業を行う事ができました(お客様には少々お待ちいただきましたが・・・)。
Data
S HOUSE 石畳文様の庭
工種:ガーデン&エクステリア工事
所在地:岡山市北区
竣工:2019年
施工協力店:庭匠 隠れみの庭、Garden Belle、国富タイル
材料協力店:(株)タカショー、(株)LIXIL、平尾物産(株)、名木田石材店、YKKAP(株)、三協立山(株)他