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明瞭な色分け

 打合せ当初は、門柱と階段以外をフラットにして平面を広く使用するオープンなプランでした。お話が進むにつれ、駐車スペースはしっかりと閉じる、塗り壁などの立体物は設けるが閉塞感を出さない、といった内容に変化していきました(当初からの決定事項は、シンプルにまとめることと必要最小限の植栽量にすることでした。)。プランの変更により、駐車スペースには電動式オーバードア(閉じているが閉塞感は無い)が、門柱周りには高さの異なる二枚の塗り壁(道路と敷地を明確に区切っているが閉塞感は無い)が設置されました。

 今回のプランの中で、塗り壁の色の選択が最も難しいと感じました。建物と同時に見える門柱などの立体物の色は、建物の色と同等色か、それよりも薄いか、それよりも濃いなど建物の色に同調させて見せる場合が通例です。これは、全体の調和をはかる為の有効な手段で、今回の建物の色から考えると、ブラウン系の色を用いることを最初にイメージしました。しかし、建物が濃いブラウン色であるため、門柱に同等色を用いるとかなり重たい印象を与えてしまいます。さらに、タイル階段の色も濃いブラウン色だったため、もしも塗り壁にブラウン色を用いるとブラウン系の色がほとんどを占めてしまうことになります。色々考えを巡らせた結果、ブラウン色は採用されずホワイト色に近い色が選択されました。完成後、全体を見てみると建物と塗り壁との違和感は感じられません。この理由の一つとしてブラウン色とホワイト色の面積のバランスが全体としてうまく調和したからではないかと考えています。非常に勉強になった好例です。コンパクトにまとめた植栽帯は、レンガの花壇を含めると三か所になりました。数量は多くはありませんが、ポイントとなる箇所に有効に配置することが出来ました。今後、緑が生長し数量が増加していけば、より良い空間となるでしょう。

 

Data

M HOUSE 明瞭な色分け

工種:ガーデン&エクステリア工事

所在地:岡山市北区

竣工:2015年

施工協力店:庭研究所 Azur、本郷造園

材料協力店:(株)LIXIL、(株)ユニソン西日本、Only One、(株)法山本店、(株)リビエラ、平尾物産(株)、コイズミ照明(株)、パナソニック(株)他

 

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