岡山市内から高知県までは高速道路を利用して2時間強。日帰りで行けないことはない距離です。今回は広い高知県の中心部、高知市内を巡りました。まずは現存天守の高知城周辺から。
高知城天守閣(5枚)、高知県立文学館(1枚)、高知県立高知城歴史博物館(4枚)を訪問。 続いて、300年以上の歴史を持つ土佐の日曜市へ。追手筋には歴史のある高等学校の時計台と工事中のおもしろそうな建築物がありました。オーテピア(4枚)、高知県立高知追手前高等学校(1枚)。















最後は五台山にある四国霊場第三十一番札所、竹林寺と高知県立牧野植物園へ。緑がいっぱい!竹林寺の山門、苔庭などを鑑賞(3枚)。寺内にある納骨堂へ(7枚)、名勝庭園へ(5枚)。竹林寺に続いて高知県立牧野植物園へ(9枚)。
























今回、新しいモノ、古いモノを各所で見学しましたが、新しいモノにスポットを当ててみると「地域の特性を生かした空間づくり」というキーワードが浮かんできます。即ち、牧野富太郎記念館(1999年竣工)では県産のスギ材やヒノキ材、土佐漆喰が、竹林寺納骨堂(2013年竣工)では県産のスギ材や土佐漆喰が、高知城歴史博物館(2017年竣工)では県産のヒノキ材、土佐漆喰、土佐和紙、土佐打刃物が、オーテピア(2018年竣工予定)では県産の木材や土佐漆喰が用いられています。高知県は面積の約8割を林野が占める全国屈指の森林県です。その特性を生かし地元産の木材を多く使用し県内の経済を活性化させる。県内外から施設を訪れた人々は高知県の木材の利用度の高さ、バリエーション、技術などを見聞きし、質の高さを感じるのです。今回は見学できませんでしたが、高岡郡檮原町にある隈研吾氏が設計した建物群も地元産の木材を多く使用しています。今回見学した施設の竣工年で考えてみても、約20年間、様々な場所で様々な技術を駆使して県産の木材が使用されてきたと言えるでしょう。もう一つは、伊豆の長八美術館(設計:石山修武、1984年)以降に注目を浴びた「土佐漆喰」。全ての施設で土佐漆喰が用いられている驚き。伝統を継承していく強い思いを感じます。また、自然災害(暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波等)が多い地域でもありますので、それらも考慮に入れ、現在考え得る最新技術と前述の伝統技術を巧みに融合させて施工を進めている施設が多いと感じました。
竹林寺は現在、本坊・位牌堂建替工事中です。2018年12月竣工予定ですので、2018年4月にグランドオープンした高知県立坂本龍馬記念館と合わせて再度訪れなければならない!と思いました。
参考資料:各所のパンフレット、「藤森照信、素材の旅」、「藤森照信の美術館三昧」他
訪問日:2018年3月31日、4月1日