大学および大学施設は用事が無ければ行く機会のない場所です。近くにある岡山大学津島キャンパスも犬の散歩以外は行く機会がありません。この度、「IPU環太平洋大学カフェテリアHARMONYオープン記念 安藤忠雄建築ツアー」が行われ、初めてIPU(環太平洋大学)を訪れました。岡山大学でもSANAA(妹島和世氏と西沢立衛氏による建築家ユニット。以前、Blog#005-1に掲載。)の建築作品が完成しているので、津島キャンパスと鹿田キャンパスを訪れました。少しずつ、大学が変わろうとしているのでしょうか?まずは岡山大学から紹介いたします。
岡山大学、津島キャンパスにあるパーゴラ(3枚)とJunko Fukutake Terrace(5枚)。続いて岡山大学、鹿田キャンパスのJunko Fukutake Hall(6枚)へ。そして、IPU・環太平洋大学へ。駐車場からIPUを見学、PHILOSOPHIA(7枚)からTOPGUN(3枚)、最後にHARMONY(3枚)へ。




























岡山大学津島キャンパスに完成したパーゴラ(2013年)とJunko Fukutake Terrace(2014年)、鹿田キャンパスに完成したJunko Fukutake Hall(2013年)は、形や手法は異なりますが明確なコンセプト「地域に開く」を軸にSANAAによって設計されています。特徴的な屋根と壁を極力なくした開放的な空間は、室内にいながら屋外にいるような感覚やフワッとした軽やかな感覚を生み、まるでアート作品の様です。非日常を体感したい方は是非訪れるべきです。一点、疑問が・・・。どの施設もおそらく樋がありません(発見できなかっただけで実際はあるのかもしれませんが。)。そのため、雨水が集まる箇所に汚れが生じたり、腐りが生じています。完成して数年、今後のメンテナンスはどうされるのかな?と余計な心配をしてしまいました。
安藤忠雄氏が設計したIPU(環太平洋大学)の施設は、前を通るたび一度は見学してみたいと思っていたので、今回良い機会を得ました。アスリート育成の場として生まれた「TOPGUN」(2009年)、セミナーホール(サザンクロス)などがある「PHILOSOHIA」(2013年)、カフェテリア「HARMONY」(2016年)の三施設とまだ計画中の施設もあるそうです。今後の進捗が楽しみです。見学中に感じたことは継続してコンセプトを維持していくことの難しさです。最初の施設「TOPGUN」が完成して7年後に「PHILOSOHIA」が完成しています。その間様々な変化があったはずですが、それぞれの施設はさほど違和感なく繋がっているので、整合性を保つことに非常な努力が必要だったのではないかと思っています。
岡山大学、IPU(環太平洋大学)の施設を見学して感じたことは、「らしい(らしさ)」をどれくらい出していくのか?ということです。岡山大学の三つの施設はパッと見てSANAAの作品では?と思いました。IPU(環太平洋大学)の打ち放しコンクリートの壁とスリットを見て、安藤忠雄氏の設計だなと思いました。おそらくその場その場で考え方や状況が異なるので違うモノをつくっているのかもしれませんが、どこにいっても「らしい(らしさ)」が見え隠れすることをどう解釈するべきか・・・。いつも迷ってしまいます。
参考資料:「Tadao Ando 安藤忠雄の建築3」、「妹島和世+西沢立衛 読本-2013」、「各大学のweb.」他
訪問日:岡山大学津島キャンパス、鹿田キャンパス 2016年11月20日、IPU(環太平洋大学) 2016年4月16日