#010-02 駆け足で巡る(高知編)

​ 岡山市内から高知県までは高速道路を利用して2時間強。日帰りで行けないことはない距離です。今回は広い高知県の中心部、高知市内を巡りました。まずは現存天守の高知城周辺から。


 高知城天守閣(5枚)、高知県立文学館(1枚)、高知県立高知城歴史博物館(4枚)を訪問。 続いて、300年以上の歴史を持つ土佐の日曜市へ。追手筋には歴史のある高等学校の時計台と工事中のおもしろそうな建築物がありました。オーテピア(4枚)、高知県立高知追手前高等学校(1枚)。

高知城周辺。追手門。穴太衆が関わったとされている。城内で最も巨石が多くみられる場所。

天守閣と板垣退助像。「板垣死すとも自由は死せず」という有名な言葉も刻まれている。

石樋。今も昔も高知は降水量が多い土地。「雨仕舞」は敵からの防御と並び重要であった。場内には多くの水路があり、石樋で排水していた。

天守閣。外観四重(内部三層六階)高さ18.5mの望楼型天守。

北側から天守閣を見る。「石落とし」と「忍び返し」が見える。

1969年に開設された高知県立郷土文化会館が前身。後楽園内にも岡山県立博物館(1970竣工)があるように、文化施設などを城内に設ける例は全国に多く見られる。

高知県立高知城歴史博物館。2017年3月オープンの新しい文化施設(設計:(株)日本設計)。

菱形のモチーフが各所に用いられている。

菱形格子鉄骨+ガラスのカーテンウォール。石積みは高知城の石垣を意識したものか。

南西から見る。仕上材には県産材(土佐檜、土佐漆喰、土佐和紙、土佐打刃物)を積極的に採用している。

オーテピア(西側より)。2018年7月オープン予定の図書館等複合施設。

設計:佐藤総合計画・ライト岡田設計JV、施工:大成建設・ミタニ建設工業・有生JV。

日曜市に隣接しているためか、建物は完工していないが、トイレは解放されている。

「大きな樹」をイメージした外装。特徴的な意匠のパネルはGRC(ガラス繊維強化セメント)木目化粧パネル。内装には高知県産木材、土佐漆喰、大理石、土佐和紙が使用されている。

高知県立高知追手前高等学校。オーテピアの向かいにある高等学校。新しいモノと古いモノと日曜市。

 最後は五台山にある四国霊場第三十一番札所、竹林寺と高知県立牧野植物園へ。緑がいっぱい!竹林寺の山門、苔庭などを鑑賞(3枚)。寺内にある納骨堂へ(7枚)、名勝庭園へ(5枚)。​竹林寺に続いて高知県立牧野植物園へ(9枚)。

竹林寺山門。仁王像は江戸時代の作。

山門を抜けると美しい苔がひろがる。

階段と石畳を通って本堂へ。

本堂西側に納骨堂(設計:堀部安嗣、2013年)がある。

ポーチより通路を見る。

通路からポーチを見る。

20m強の通路の両サイドに納骨室がある。

建物の一番奥に水庭がある。

木々に覆われており、全景を望むことができないが、このアングルは庇等が美しい。高知県産材のスギ、土佐漆喰等を用いている。

ポーチを下から眺める。納骨室は採光と通気を考えて、下部に空洞ブロックを用いているのが分かる。

名勝庭園。夢窓疎石により作庭されたと伝えられている。

北庭。南国らしい豪快な石組が気持ち良い。

右に見えるのが小書院。奥に瓢形の池がある。

西庭。中国の廬山と鄱陽湖を模したとされている。

室内から庭を眺める。この二つの庭は高知県三名園のひとつに数えられている。

高知県立牧野植物園正門。石積みも良い感じ。

土佐の植物生態園。植栽されて多少の年月を経ているので、自然植生ではないが心地よい空間になっている。

牧野富太郎記念館本館(設計:内藤廣、1999年)。

牧野富太郎記念館本館。高知県産材を多く使用している。テラスの床は高知県産のヒノキ材。

牧野富太郎記念館展示館。建物の影と植栽、曲線の塩梅がとても素晴らしい。

牧野富太郎記念館展示館。展示館内。高知県産のスギ材を主に使用。

牧野富太郎記念館展示館内の中庭。牧野博士ゆかりの植物が約250種植栽されている。

カルスト型植生園。高知県には石灰岩地帯が広く分布しているとのこと。石灰岩地帯に生育する植物を収集、植栽している。

温室。2010年にリニューアル。色鮮やかな熱帯花木、熱帯果樹など一年を通して楽しめる。

​ 今回、新しいモノ、古いモノを各所で見学しましたが、新しいモノにスポットを当ててみると「地域の特性を生かした空間づくり」というキーワードが浮かんできます。即ち、牧野富太郎記念館(1999年竣工)では県産のスギ材やヒノキ材、土佐漆喰が、竹林寺納骨堂(2013年竣工)では県産のスギ材や土佐漆喰が、高知城歴史博物館(2017年竣工)では県産のヒノキ材、土佐漆喰、土佐和紙、土佐打刃物が、オーテピア(2018年竣工予定)では県産の木材や土佐漆喰が用いられています。高知県は面積の約8割を林野が占める全国屈指の森林県です。その特性を生かし地元産の木材を多く使用し県内の経済を活性化させる。県内外から施設を訪れた人々は高知県の木材の利用度の高さ、バリエーション、技術などを見聞きし、質の高さを感じるのです。今回は見学できませんでしたが、高岡郡檮原町にある隈研吾氏が設計した建物群も地元産の木材を多く使用しています。今回見学した施設の竣工年で考えてみても、約20年間、様々な場所で様々な技術を駆使して県産の木材が使用されてきたと言えるでしょう。もう一つは、伊豆の長八美術館(設計:石山修武、1984年)以降に注目を浴びた「土佐漆喰」。全ての施設で土佐漆喰が用いられている驚き。伝統を継承していく強い思いを感じます。また、自然災害(暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波等)が多い地域でもありますので、それらも考慮に入れ、現在考え得る最新技術と前述の伝統技術を巧みに融合させて施工を進めている施設が多いと感じました。

 竹林寺は現在、本坊・位牌堂建替工事中です。2018年12月竣工予定ですので、2018年4月にグランドオープンした高知県立坂本龍馬記念館と合わせて再度訪れなければならない!と思いました。

参考資料:各所のパンフレット、「藤森照信、素材の旅」、「藤森照信の美術館三昧」他

訪問日:2018年3月31日、4月1日


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