私の出身地は大阪府ですが、かなり南の地域です。しかも大阪を離れて20年以上経ちますので大阪出身と言いながら大阪のことをほとんど知りません。帰省時はあまり自由に動き周れませんが、今回、午前中のみ自由時間を得ることが出来ました。大阪城~堺筋~中之島周辺にかけて、猛ダッシュで色々と巡りました。
まずはじめは、大阪城天守閣(1枚)→旧第四師団司令部庁舎(1枚)→Halftecture 大阪城大手前(1枚)から大阪府庁本館(3枚)へ。
続いて堺筋周辺を巡ります。三井住友銀行大阪中央支店(2枚)→高麗橋野村ビルディング(4枚)→オペラ・ドメーヌ高麗橋(1枚)→日本基督教団浪花教会(1枚)→芝川ビルディング(3枚)→日本圧着端子製造株式会社 本社(1枚)→綿業会館(2枚)→綿業会館新館(1枚)→フジカワビル(2枚)→生駒ビルヂング(1枚)→新井ビル(1枚)へ。
最後は中之島周辺を巡ります。大阪取引所(1枚)→難波橋(1枚)→大阪市中央公会堂(2枚)→大阪府立中之島図書館(2枚)→大阪市庁舎(2枚)→日本銀行 大阪支店(2枚)→国立国際美術館(1枚)へ。
今回は午前中のみという限られた時間での名所巡りでした(頑張って計23箇所)。外観で最も印象に残った建物は高麗橋野村ビルディングです(1927年竣工)。かわいさもあり、型にはまらない大胆さもあり、東洋的でもありました。向かいにある三井住友銀行大阪中央支店が威厳に満ちた建物だっただけに、かわす、はずすを試みた印象があります。ただ三井住友銀行大阪中央支店の竣工は1936年で高麗橋野村ビルディングよりも後ですから、かわす、はずすは日本銀行 大阪支店(1903年竣工)、大阪府中之島図書館(1904年竣工)、オペラ・ドメーヌ高麗橋(1912年竣工)、大阪市中央公会堂(1918年竣工)などを意識したのかもしれません。因みに前述の大阪府中之島図書館を除く三つの建築物は東京駅の設計でも有名な辰野金吾氏が関わっており、三井住友銀行大阪中央支店も辰野氏とゆかりのある曾禰達蔵氏、中條精一郎氏が開設した曾禰中條建築事務所が担当しています。
もう一つ印象に残った事は村野藤吾氏についてです。設計に関わった綿業会館は会員制社交倶楽部で外部も内部(入っていませんが・・・)も絢爛豪華。1931年の竣工で村野氏は40歳でした。綿業会館から東へ150m程歩いて堺筋を北上していたところ、ガラスブロックの素敵なビルを見つけました。とりあえずシャッターを切って、後で調べてみると村野氏の設計であることが分かりました。それがフジカワビルでいまでも現役の商業ビルです(1952年竣工、村野氏61歳)。岡山にある村野作品は、残念ながら高島屋岡山店のみです。竣工が1973年ですから、村野氏なんと82歳!90歳を超えても情熱は衰えず、亡くなられる前日まで仕事をしていたとの逸話もあり、ただただ驚くばかりです。
今回の訪問はかなり駆け足となってしまいましたが、権力に屈しない反骨精神と粘り強く継続していく情熱を学んだ名所巡りでした。宇部の渡辺翁記念会館にいつか必ず行くぞ!という情熱を継続しつつ・・・
参考資料:「ぼくらの近代建築デラックス!」、「いいビルの写真集」他
訪問日:全ての施設 2017年8月26日
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