#005-03 体力の続く限りペダルを回す(直島その3)

 李禹煥美術館からベネッセハウス ミュージアム周辺へ。1980年代後半から始まった「直島文化村構想」の出発点ともいえるベネッセハウス ミュージアム(設計:安藤忠雄、1992年)。周辺施設が増え、来るたびに姿を変えて来島者を楽しませています。ベネッセハウス ミュージアム周辺を見学した後は家プロジェクトを行っている本村周辺へ向かいます。


ベネッセハウス周辺を巡る。

ベネッセハウス周辺の風景。木々に埋もれているが、ベネッセハウス ミュージアム(設計:安藤忠雄、1992年)とベネッセハウス オーバル(設計:安藤忠雄、1995年)が少し顔を出している。階段の下にはウォルター・デ・マリア氏の作品がある。

ベネッセハウス周辺の風景。

「見えて/見えず 知って/知れず」(ウォルター・デ・マリア)。来島者のほとんどが地中美術館を訪れるだろう。地中美術館内の「タイム/タイムレス/ノー・タイム」(ウォルター・デ・マリア)と共にこちらも訪れるべきスポット。

「三枚の正方形」(ジョージ・リッキー)。可動する三枚のステンレス板。

「茶のめ」(片瀬和夫)。

「シップヤード・ワークス 船尾と穴」(大竹伸朗)。

ベネッセハウス ミュージアムへの動線。壁に自然石のトラバーチンを張っている(当時の安藤作品にはあまり無いはず)。

壁に掛けられている写真は、杉本博司氏の作品、「タイム エクスポーズド」。同じシリーズンの作品が屋外に二点展示されている。

ミュージアム内の「天秘」(安田侃)。

ベネッセハウス ショップの手前に「腰掛」(ニキ・ド・サン・ファール)が。ショップを抜けて、スパ、ベネッセハウス パークへ。

ベネッセハウス ショップ前から広場、海を眺める。右手前に「腰掛」(ニキ・ド・サン・ファール)、奥にニキ・ド・サン・ファール氏の作品と「かえると猫」(カレル・アペル)、「南瓜」(草間彌生)が微かに見える。

ベネッセハウス パーク内には「苔の観念」(杉本博司)が。

「南瓜」(草間彌生)。町営のバスで行くと、宮浦港~本村~つつじ荘というルートを辿る。宮浦港で最初に見えるのが「赤かぼちゃ」(草間彌生)で、つつじ荘から歩いてベネッセハウス方面へ進むと「南瓜」が見えてくる。島の入り口が赤、ミュージアムの入り口が黄色。

「もうひとつの再生 2005-N」(三島喜美代)。手前のペットボトルと比較すると作品の大きさがわかる。バスや徒歩ではなかなか行くことが出来ない場所にある。

 ベネッセハウス ミュージアムで安田侃氏の作品に出会ってから約10年。ずっと行きたいと思っていたアルテピアッツァ美唄(北海道美唄市。札幌芸術の森、札幌市の中島公園も含む)に行くことが出来ました。安田侃氏の作品画像をこの機会に掲載いたします。

アルテピアッツァ美唄。水の広場。手前から「天モク」、「天聖」。

「胸いっぱいの呼吸(いき)」。手前のベンチのようなものも気になる存在。

「天聖」。

ギャラリー(旧校舎)。手前から「天秘」、「妙夢」、「風」、「相響」。

「新生 生誕」。

「帰門」。

「妙夢」。

アートスペース(体育館)。左端「無何有」、手前「回生」、左奥「無何有Ⅲ」、右奥「無何有Ⅱ」。

「真無」。

「天秘」。ウッドデッキにも不思議とマッチする。

「妙夢」。奥に「真無」が。

手前「天聖」、奥に「天モク」。

「天翔」。

「間」。札幌芸術の森にも作品がある。

「相響」。中島公園にも。

 ベネッセハウス周辺には屋内、屋外を問わず様々な作品が多数展示されています。それらすべてを見るにはかなりの時間を要するので、時間のある方は何泊か滞在してじっくりと体感することをお勧めいたします。

 アーティストが直島の自然や周辺環境をどう理解しどう表現していくかといった試み(サイトスペシフィックなどと呼ばれています)は比較的歴史の浅い流れかもしれませんが、日本人が接してきた庭(特に禅宗の庭)に対する考え方と大きな違いは無いように感じました。創り手が庭に景石を据える、樹木を植える時には、その場の空気感や庭に対する思いをできる限り取り込みたいと願います。住まい手はそれらを見て触れて、様々なことを想像しながら成長します。創り手と住まい手、アーティストと来島者の関係にそれほど大きな差はないのです。

 ただ、表現方法には多少の違いがあります。日本の庭は自然を抽象化し限られた空間の中に表現する、サイトスペシフィックワークは周辺環境と対峙し自然の中にどっぷりとつかって表現するという違いです(ざっくりとしたイメージですが、「野山の気に入った空間を小さく切り取ってアレンジを加えて置く」と「野山の気に入った場所に気に入った作品をその環境に合うように置く」という違い)。

 いずれにせよ、天候の良い日に来島できれば緑も風も心地よく感じられるので、最高の状態で作品を鑑賞できます。2013年から瀬戸内国際芸術祭が始まり、ますます来島者数が増加しています。芸術祭の時期を避けて、晴れ男、晴れ女と一緒に訪問すれば、ゆっくりじっくり過ごすことが出来るでしょう。


参考資料:「瀬戸内・直島アートの旅 ガイドブック」、「Chichu Art Museum」、「Tadao Ando 安藤忠雄の建築3」、「藤森照信の美術館三昧」、「CASA BRUTUS No.79」、「CASA BRUTUS No.100」、「CASA BRUTUS No.114」他

訪問日:2015年05月13日 11:30~

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